メインスタッフ: 2012年7月アーカイブ

梅雨の後半というのは、ぐずぐず、しとしとした前半と違うて、梅雨の後半というのは暑いお天気と大雨が入れ替わりになるということでおますが、九州や四国の大雨もえらいことやったそうでおますな。

さて、今回の会は桂文華(ぶんか)はんの会でおます。おなじみの桂文三(ぶんざ)はんのご紹介ですが、兄弟子さんでおます。

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前座は文華はんのお弟子さんの華紋(かもん)はんでおました。お噺はおなじみの「犬の目」でおます。
華紋はんはまだ二十代半ばということで、5月の松の会にご登場いただいた染八さんにつぐ、「太郎寄席」歴代二位の若さでおますのやが、お若いわりにかっちりした芸でおました。また、お客さんからの評判もよろしかったようでおます。

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続いてお師匠さんの文華はんでおます。出端(でばな)の「つかみ」は抜群でおました。今日も、お客様が聞き上手のええお客様やったということもおましたやろか、あっ、ちゅうまにつかみはりましたな。今回は文華はんのご希望で、客席をいつもより大分と明るうしておりましてん。「お客様の顔が見えるほうがやりやすい」のやそうでおます。ふつうに考えたら、客席が暗うて舞台だけが明るい方がお客様の気が散らんように思うのでおますが、そういうことばかりでもおまへんのやな。
お噺は、夏らしゅう「青菜」でおました。
落語には、繰り返しでうまいこと笑わせるという芸がおまして、これが下手な人がやると繰り返すほどつまらんようになるのでおますが、上手い噺家さんがやりはると、繰り返すほどに可笑しゅうなるのでおますな。「青菜」もそういう筋のある噺なのでおますが、文華はんは、繰り返したり、繰り返すと思わせてせんかったり、繰り返さんと思わせておいてやったり、そのあたりの加減が上手うて、わてもえらい笑わせてもらいましてん。
文華はんはまだ四十代のはずやけど、そうとは思えん、落ち着いたカンロクで、古典的な上方の噺家はんの魅力を持ってはるんでおますなあ。

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中トリは、ぐっと趣向がかわって笑福亭鉄瓶(てっぺい)はんでおます。
「太郎寄席」のこけら落としに飛び入りでご出演いただきました、笑福亭鶴瓶師匠のお弟子さんでおます。お噺は自作の「卒業式」というネタでおました。なんでも、自伝的な、自伝的いうてもまだお若いのやさかい子供のころの話でおますが、それを材料にしたお噺でおます。ほんまに、生まれながらの芸人はんのようでおますな・・・

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中入りをはさんで、もういっぺん文華はんのご登場でおます。
お題は「子は鎹(かすがい)」。上方を代表する人情噺でおます。
これがまた、えらいもんでおました。
とことん泣かせて、泣かせて、ほんでから落として笑わせるのでおます。いやあ、えらいもんでおました。文華はん、どこまでほんまに泣いてはるんやろ、と思うくらいに真に迫った話しぶりでおます。
終わってから、お客さんがみなさん、グズグズ涙流しながらお帰りでしてん。ほんまに泣き笑いでおますなあ。

今日も、ええ噺、聴かせていただきましてん。
ご来場いただいたお客様、ほんまにおおきにありがとうございました。
引き続き、「道頓堀 太郎寄席」、どうぞご贔屓のほどを。
「セツデン」で太鼓をお休みしておったからというわけではおまへんのやけど、わての「つぶやき」、ちょっとご無沙汰してしまいましてん。
「太郎寄席」の五月の松の会と六月の藍の会、ちょっとはしょってご報告いたしますねん。

五月の松の会は、おなじみ林家花丸はんの会でおました。お噺はおなじみ、古典の「阿弥陀池」と、大トリに小佐田定雄はんの「お父っつぁんは魔法使い」というお噺でおました。
この「お父っつぁんは魔法使い」というのはけったいなお噺でおまして、よぼよぼのご隠居のお爺さんが、実は魔法使いであったという、なんとも荒唐無稽な設定のお噺なんでおます。

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往年の人気テレビドラマ『奥様は魔女』を下敷きにしたり、そんなわけがあるかいな、というアホらしいお噺でおますが、そういう荒唐無稽な、そんなアホな、ちゅう噺は、この花丸はんという方はお上手なんですなあ。
よぼよぼの、このお爺さんほんまに魔法使いなんやろか、ただボケてはるだけと違うやろか、と思わせながら、やっぱりほんまに魔法使いやったという、ありもせんような噺を、いかにもありそうに思わせるところは名人芸でおます。
ほんまは花丸はんご本人が魔法使いなのやないやろか、と、わてこない思うておりますねん。

六月の藍の会は、先月の会にゲストでご出演いただきました桂雀五郎はんの会でおました。お噺は古典の「看板の一(ピン)」、「質屋蔵」というスタンダードでおます。
雀五郎はんというお方はまだ三十代の半ばでおますが、妙に落ち着いた噺家はんでおまして、間の抜け具合が絶妙なんでおます。

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「看板の一」という噺では、老練の博打打ちが若い連中にせがまれて壺を振りますのやが、サイコロが壺からこぼれたと見せかけて、それは「看板や」というのでおます。若い連中は、オヤジさんがもうろくしたと思うて、その壺の外のサイコロ見て張るのやけど、ほんまのサイコロはやっぱり壺の中にあって、みんな巻き上げられるという筋でおます。
オヤジさん、もうろくしてはるんちゃうか、と見せるところやら、若い連中がだまされて唖然とするところやら、その「間」(ま)が実によろしいのでおますな。
「質屋蔵」は、質屋さんの蔵の中に預かった品物が夜な夜な出てきて相撲を取るという、夏向きのお噺でおますが、夜通し見張っておれといわれてお店(たな)の丁稚や番頭が困るのでおます。その雀五郎はんの困り方が、またユカイでおますねん。

このあたりの加減は、マイクも使わん、小さい「太郎寄席」ならではのお楽しみでおますねん。「太郎寄席」では毎回力の入ったお噺が続いておりますねんけれども、この小屋の小ささ、また通ってきてくださっているお客様の良さも、自慢できる落語会やと思うておりますねん。
どうぞ、今後とも「道頓堀 太郎寄席」ご贔屓にお願い申し奉りますねん。
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