道頓堀 太郎寄席 如月松の会

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「生喬三席」につづきまして、二月如月の「松の会」は桂南天師匠でおます。

 

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 まず、前座は桂弥太郎はん、桂吉弥師匠のお弟子さんでおます。吉弥師匠はわてもご縁がありまして、いっぺんだけNHKの仕事でご一緒させてもろうとことがおますねん。まだ「くいだおれ太郎プロジェクト」がでけたばっかりの頃でおました。

 弥太郎はんはまだ五年目やけれども、ちょっと歳いってからの入門やさかい、落ち着いてはりますねん。今日の噺は「寿限無」でおましたが、歯切れのええ、キレのええお噺でおました。米朝事務所の伝統はまだまだ生きてますのやなあ。

 

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 ゲストは桂佐ん吉はんでおます。佐ん吉はんは、前に文華師匠のゲストでもお出ましでおました。今日は「稽古屋」でおました。

 お稽古ちゅうのは落語の噺によう出てくるようでおますが、「稽古屋」のお稽古は踊りのお稽古でおます。「梅ェは、咲いたか、さくゥらは、まだかいィナ」ちゅうのが出てくるやつでおますな。この噺はお囃子さんも大活躍でおます。今日のお囃子は公美子はんでおますな。

 東京落語に慣れた方には、上方の、鳴り物が入る落語は嫌やとおっしゃる方もおられるようでおますが、生で入るとええもんでおます。「稽古屋」はお囃子さんが大活躍しはるのでおますが、高座の師匠と息を合わせるところが、芸でおますな。気分のええお噺でおました。

 

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 さて、南天師匠はまず「かぜうどん」でおました。東京では「うどんや」という噺でおますが、これも三代目柳家小さん師匠が東京へ移しはって、五代目が完成させはったちゅうことでおます。

 いろんなやりようがおますようですな。今日のは、博打うちがうどん十杯注文する伏線もはいっておりました。若い衆のキレのええ、テンポのええ噺が気持ちよろしおますな。

 しまいのところは、うどんを食べるしぐさだけで何分か演りはりました。寒い冬の夜は、おうどんが美味しおますな。このうどん屋さんの汁は、鰹昆布出汁なのやそうでおます。おうどんの出汁としては上品でおますが、わても鰹昆布出汁のおうどん、大好物なのでおます。

 

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 さて、今日は中入りなしの4席でおました。というのも、中入りを入れると中トリをどない設定するかがなかなか難しいのやそうでおます。なるほど、林家花丸師匠も中入りなしでやりはることがおましたな。

 ほんで、大トリは「幸助餅」でおました。関取の「いかづち」に入れ込んで身代をつぶした米屋の旦那さんの噺でおます。

 これは前に、花丸師匠もかけはった噺でおまして、あのときはほんまにびっくりしましたな。この噺は「いかづち」が豹変するところが見どころのひとつなのでおますが、花丸ワールドは見事な豹変ぶりでおました。

 個性の違う南天師匠はどないやりはるのやと思うて聴いておりますと、やっぱりそこここ、演出が違っておるのでおますな。主役の幸助はんの性格の設定やら、脇役の伯父さんの設定やら、こまごまとしたところで違うて、こっちはすっかり南天ワールドになっておるのでおました。「太郎寄席」の師匠方は、それぞれにお互いのやりようをよう研究してはるようでおますな。

 それにしても、南天師匠は今日はええ声を出してはりましたな。ますます脂が乗ってきてはるようでおます。