2013年4月アーカイブ

「道頓堀 太郎寄席」、「藍の会」のほうも力が入ってまいりましてん。やっぱりみなさんネタ帳を繰ってみはるからでおまっしゃろか。なかなか余所でかけにくいような噺をどんどんやってくれはりますねん。

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たぶん、今年の上半期一番の珍しいネタが、今日の染弥はんの「時そば」でおまっしゃろな。「時うどん」やのうて、「時そば」でおます。
東京落語ならみなさんご存じの「時そば」は、上方の「時うどん」を三代目柳家小さんが翻案しはったのやそうでおます。「時うどん」の方は、カシコイのんとアホなんと二人一組で出てくるのでおますが、「時そば」は一人ずつ出てくるところが違うのでおます。

わざわざ上方で、それも上方の噺家はんがなんで「時そば」なんやろかと思うて、わて楽しみにしておりましてん。ほたら、なんでも染弥はんがマイクチェックのときにようやりはる、かくし芸なんやそうでおます。
何べんもやっているうちにサマになってきたんで、兄さんいっぺん高座へかけなはれ、ちゅうのでやってみる、とこないなわけでおますねん。とはいうても、一席しかでけへん高座ではそないなシャレみたいなことはなかなかでけへんというわけで、今日は特別に「太郎寄席」でお披露目となったわけでおます。

噺はマクラから、東京の噺家さんが重んじはる「型」というところから始まりまして、上方の噺家さんとは違う「こだわり」を解説しはるのやけど、大阪のお客さんにはやっぱり冗談にしかきこえへんのか、マクラから大ウケでおましてん。
ほんで、わざわざいっぺん舞台袖へ戻って、出るところから「江戸」っぽくやりはるのでおます。
東京の噺家さんからしたら、「なんてえ江戸弁だい、なっちゃいねえや」っちゅうとこかもしれまへんのやけど、そこは洒落なんでおます。「・・・そばは細くなくっちゃいけねえ。うどんみたいな太いのなんざあ・・・」いうところは、ほんまに大阪人らしい自虐的な冗談に聞こえてしょうがおまへん。思い出しても笑いがとまらんのでおます。
お客様も、のべつ笑い通しでおました。

わては、やっぱり東京落語と上方落語は、別の芸やと思うておりますねん。どっちがええ、ということではのうて、別のモンでおます。美意識というか、目指しておるものがものが違うように思いますねん。

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染弥はんのもう一席は「立ち切れ線香」でおました。
去年の秋に文三師匠がかけはった噺でおますが、難しい噺なんでおます。こんな、半年に二へんも聴けるようなことはあんまりないのやないかと思いまっせ。
「立ち切れ」といえば、米朝師匠は冒頭登場する番頭の描写に、先代文枝師匠は主人公である若旦那の描写に、それぞれカナメとしはるところがおますのやが、染弥はんのは林家流とでもいいますのか、おしまいに登場する、お茶屋のお母はんがカナメになっておるのでおます。
これは新鮮でおますねん。ほんで、このどうしようもないようなかわいそうなお噺が、このお母はんの描写のおかげで、ぐっとたくましいお噺になるのでおます。
えらいもんでおますな。こういうことがあるから、落語はやめられへんのでおます。

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さて、本日の相方は笑福亭由瓶(ゆうへい)はんでおました。前座噺にはにぎやかな「相撲場風景」、六代目松鶴師匠の得意ネタとされておる噺でおます。
愉快でおましたのは「天狗裁き」でおます。これはわりあいようかかるお噺なんでおますが、夢の話をせよと責められる男が、どうみても由瓶はんそのものに見えてしょうがない。地でやってはるのかいなと思うほど、合うておるように思いましてん。

このところ、「藍の会」のほうも「余所ではなかなかやりにくい」ようなネタがようけかかるようでおまして、見ごたえもあってユカイなんでおます。中堅の噺家はんたちが切磋琢磨してはる様子がうかがえるのでおます。
ぜひ、「道頓堀 太郎寄席」におはこびのほどを。スケジュールは「道頓堀Zaza」のホームページからご覧いただけますねん。
「道頓堀 太郎寄席」、弥生三月の「松の会」はおなじみ、桂文三師匠の会でおました。

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今回は珍しいゲストでおましてん。東京の林家二楽という紙切りの師匠でおます。
かねてより、二楽師匠と文三師匠はおつきあいがあったのやそうで、たまたま二楽師匠が上方へ来ておられた機会に、お出ましいただいたのでおます。
東京でも紙切りの師匠は少のうなっているのやそうでおます。本場東京でも少ないのやったら、上方ではなおのこと珍しい出し物でおますねん。
二楽師匠は上方がお好きやということで、サービスも満点でおます。調子よう語りながら、チョキチョキと、あっという間にややこしい絵を切りぬいてしまうのでおまっせ。

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まず最初に「桃太郎」から始まりまして、お客さんのリクエストを受けて、即興で切りはりますねん。この賑やかなのは「お花見」でおます。みごとなもんでおますなあ。わての絵も切ってくれはりましてん。きっと初めてのことやさかい、えろうむづかしかったのやないかと思いまっせ。
二楽師匠、これから上方でもお仕事をようけしたい、とおっしゃってはりましてん。今日のお客様もみなさん大喜びでおました。大阪ではまだまだ珍しい芸やさかい、これからも「太郎寄席」にバンバンお出ましいただきとうおまっせ。


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さて、文三師匠の一席目は「グッドジョブ」という新作でおました。作家の小佐田先生が、文三師匠のために創りはった作品でおまして、今回がまだお披露目の二回目という話でおます。
軽い噺でおますが、「福の神」と「死神」が登場しますねん。これがまた、いかにも「福の神」らしい「死神」と、えろうやる気のない「福の神」さんなんでおますが、それがまた妙にリアリティがおまして、文三はんがえらいうまいこと演りはりますねん。
新作いうても舞台は長屋の江戸時代そのまんまでおますさかい、古典やいうても通りそうな話なんでおます。噺の作りもよう考えてあるし、文三はんがまたえろう合うてはるし、はじめからしまいまで、お客さんも笑い通しでおました。

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大トリの二席目は、「お文さん」という、船場のおうちのお噺でおます。
大店の若旦那はんと、そのお妾さんをめぐる噺でおます。これまたちょっとリアリティのある噺でおましてな、ちょっとかわいそうなところもある噺なんでおます。
最近の文三師匠、「立ち切れ線香」といい「お文さん」といい、新しい境地を開拓してはりますねん。こういう、ちょっとかわいそうな噺でも笑わせてしまうというというところが上方落語の魅力でおます。無理やり笑わすのやのうて、ちょっと我に返ったようなところやら、ちょっと「気」を抜いて思わず笑うてしまうのでおますが、それがリアリティでおますねん。
「お文さん」には、しまいの方に煮ても焼いても食えん、こわいこわい女子衆(おなごし)はんが登場するのでおます。「悋気の独楽」や「猿後家」にも登場する、あの女子衆はんでおます。これが文三師匠の十八番でおまして、もう、お客様はこの女子衆が出て来たとたんに笑いはるのでおます。

今日も、聴きごたえのある寄席でおましてん。

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今日は前座もひさしぶりの講談で、旭堂南斗はんの「山内一豊」でおました。こけら落としの「文三三席」にお出ましいただいた南青はんの弟弟子さんでおます。講談、紙切り、落語と、ちょっと寄席らしい宵でおました。
また、こういうたのしい趣向を重ねてまいりますさかい、みなさん、どうぞお運びのほどを。
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