道頓堀 太郎寄席 弥生三月の藍の会

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今年から二人会形式でやっております、「道頓堀 太郎寄席 藍の会」、弥生三月は桂文鹿(ぶんろく)・桂米紫(べいし)の二人会でおました。お二人とも、今年で二十年目になるご同期さんでおます。

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米紫はんは、もうなんべんもお出ましでおます。ひょっとしたら、こけら落としの文三師匠を別にしたら、「太郎寄席」最多出演かもしれまへんな。ありがたいことでおます。
今日の米紫はんは「みかん屋」、「高津の富」でおました。「みかん屋」は前座噺でおますが、中堅くらいの噺家はんの前座噺というのも、力があってええもんでおます。
「高津の富」は難しおますねん。無一文のくせして大金持ちみたいなホラを吹くおやっさんを、どないにはんなりとそれらしくやるのかが難しやろなと思いますねん。今回の「高津の富」でユカイでおましたのが、ついでに出てくるような役まわりでおますねんけど、高津のお宮さんでのろけまくるオッサンでおました。「あれがやりたいからこの噺をしてますねん」いうて米紫はん、笑うてはりましてん。さすがに聞かせますねん。楽しおましてん。

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文鹿はんは二回目やと思いますねん。去年、笑福亭鶴二師匠のゲストでお出ましでおました。
まずは「馬の田楽」でおました。これは、とりとめもないような噺でおまして、米朝師匠があるとき「この噺は『立ち切れ線香』とおんなじくらい力のいる噺や、なめてかかったらあかんデ」とおっしゃったくらい、難しいネタやそうな。
なるほど、そない思うて聴いておりますと、確かにメリハリをつけるのが難しおますのやろな。なにせ、何者ンかようわからんオッサンが主役で、あとはやんちゃな子供ばっかりでおますねん。よう考えてやってはりまして、わてはユカイに聴いておりましてん。
文鹿はんのもう一席は「親子茶屋」いうて、もう十年以上かけてなかった噺なんやそうな。なんでも、昔プロボクサーと兼業でやってはって、減量のいちばんシンドイときに高座へかけてえらい失敗して、それからいっさいやってないという、そういうイワクつきの噺なんやそうでおます。
お茶屋通いの道楽息子と、それを叱る親旦那さんの噺でおます。ところがこの親旦那さんというのも実は相当な遊び人でおまして、お茶屋さんで隠れ遊びをしているところ、「粋な人もおるもんやな」と上がっていったのがその若旦那さんなんでおます。
長いことかけてはらへんかったとは思えんかったんでおまっせ。やっぱり、よう研究してはるのでおますな。ええ厄落としになったのやったら、わてもうれしいことでおます。

「道頓堀 太郎寄席」は、よそでかける機会のない噺なんかもどんどんやって、芸を磨いてもらうために作ったようなもんでおますねん。こういう珍しい噺で、どんどん腕試し、腕磨きをやってくれはったら、ほんにありがたいことでおますねん。

そんな落語会なんでおます。みなさん、ぜひお運びのほど。今後も「道頓堀 太郎寄席」、どうぞご贔屓によろしゅうおたのもうしますねん。