佐渡旅行 後篇

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 佐渡の2日目は、朝いちばんで小木(おぎ)港でおます。
 小木は昔の北前船が寄った港やそうでおますな。両津は新潟からの入り口で、北前船は小木についておったそうな。今でも、小木へは直江津からのフェリーがあって、関西から船で入るのはここからになるそうな。

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 小木港で、たらい船というのに乗りましてん。
 たらいみたいなもん、わて、乗れるやろか思うてたら、なんのなんの、立派な舟でおますがな。レルヒはんみたいに大きな人でも乗れますねん。作り方こそたらいやけど、大人4人が楽々乗れる大きさで、しっかり造ってあるのでおます。なんでも、船大工さんが作りはるのやそうな。女船頭さんが櫓でこぎはるのやけど、たらいもこれだけ大きいと安定が良うて、ひっくりかえるっちゅうことがないそうでおます。今でも、アワビなんか獲るのに使うてはるのやそうな。わても、こんなん一艘欲しおますな・・・

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 小木港には、テレビやら新聞やら、取材の記者さんがたもようけお越しになってましてん。船から上がったところで取り囲まれて、わて、なんやスターになった気分でおました。

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 小木のお隣に宿根木(しゅくねぎ)という小さな町がおまして、古い町並みが残してありましてん。人がすれちがうのもやっとというような狭い石畳が、また風情がおますねん。こういう町並みは、わてら大阪の者ンにも面白いけど、外国の観光客のお方なんか喜びはりまっしゃろなあ。

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 宿根木のあとは、お昼ご飯でおますねん。
 いよいよ、ブリカツ丼でおます。佐渡は年じゅう天然のブリが獲れるのやそうやけど、天然のブリいうたらお刺身が美味しおまっせ。ブリのお刺身いうたら天然でないと食べられしまへんけど、大阪や東京で天然ブリいうたらええ値段がつくさかい、そうそうわてらの口に入るもんやおまへん。そんなええブリをカツにするやなんて、なんとまあ贅沢なことでおますなあ。佐渡のお方はブリなんて飽きるほど食べてはるのでっしゃろなあ。うらやましいことでおます。
 このブリカツ丼いうのも、衣やらタレやら、えらい研究しはったそうでおます。あたりまえやけど、ブリもええブリでおますな。あっ、ちゅうまにお腹におさまりましてん。そやけど、新潟でカツ丼いうたら、こないしてカツにたれをかけてご飯にのせますのやな。大阪や東京のカツ丼みたいに出汁で煮て卵でとじたらどないなりまっしゃろな。

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 お昼ご飯のあとは、能舞台でおますねん。
 佐渡いうたら、世阿弥が流されたという歴史があるだけにお能はさかんやったそうでおますな。昔は何百と能舞台があって、今でも何十も残っておるそうな。
 今日連れていってもろうたのは、大膳神社の能舞台いうて、佐渡に残っておる中でもいちばん古いもんのひとつやそうな。立派な茅葺でおます。150年ほど経ってるのやそうやけど、奥の鏡板の松の緑はまだまだ鮮やかでおますし、舞台も橋掛かりも立派でしっかりしておますねん。茅葺は何年かごとに少しずつ葺き替えはるのやそうな。
 ほんまに昔はお能が盛んやったそうで、今のわてらが一杯機嫌でカラオケ歌うたり踊りを踊ったりするみたいに、謡を謡うて、舞を舞ってはったそうでおます。なかなか幽玄な島でおますなあ。

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 ほんで、いよいよトキはんの田んぼでおます。
 トキはんはなかなか食べ物にうるさいそうでおますな。そやから、ええ田んぼがないと暮らせんそうな。この田んぼは今まで農薬を使うたことがない、いう古風な田んぼでおます。持ち主の土屋はんは、「家族からもあんたは変わり者だと言われてます」と笑うてはりましたけど、えらいもんですなあ。
 ちょっと覗いたら、田んぼの中はおたまじゃくしやらアメンボやらタニシやら、どじょうもようけおりました。この田んぼにトキはんがご飯食べに来はるのやそうな。わてもどじょうは好物でおます。
 あいにく、トキはんがご飯食べはるのは朝早うか夕方遅う、ちゅうことで、残念ながらトキはんは見られませんでしたなあ。トキはんはお昼ごはんは食べはらへんのやな。

 ほんでも、2日かけての佐渡旅行、ええ旅でおました。レルヒはん、ほんまにおおきに。
 それから、今回もまた全日空はんが飛行機の席を用意してくれはりましてん。毎度毎度ほんまにおおきにありがたいことでおます。おまけに飛行機やったら新潟って近うおますな。だんだん新潟が身近になってきましたで。
 この次は大阪でレルヒはんに活躍してもらえるようなことを、なんぞ考えてみよ、思うてますねん。

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