道頓堀 太郎寄席 2月の会

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わての「道頓堀 太郎寄席」、今回で5回目を迎えますねん。
おかげさまで、少しずつ賑やかになっております。

さて、今回は笑福亭たまはんの会でおます。

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前座は米朝一門、桂塩鯛はんのお弟子さんの桂小鯛はん、「口合小町」でおます。
太郎寄席はいつも、前座さんからえらいようウケますのやけど、今回はひときわでおましたなあ。小鯛はん、まだ30前なのやけど、そんな若いとは思えんほど堂々として、ええテンポで噺をしはりますのや。上方落語の将来は明るうおまっせ。

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ひきつづいては、前回の主役の生喬はん、「辻占茶屋」でおます。芸の幅の広いお方でおますが、今回は芝居もんでおます。お茶屋の女子にだまされるアホな男の話で、ハメモン(鳴り物入り)でおましてん。三味線と唄がええ雰囲気でおましてな。舞台は難波新地。いうたら、この道頓堀の裏側でおます。ホウフツとしてまいりますなあ。
太郎寄席はマイクをつかわんさかい、三味線も唄も生で聞こえてまいりますところが、また、華やかな色気があって、ええもんでおます。ああ、しあわせなキブンでおました。

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中トリは、今日の主役のたまはんでおます。
最初のネタは福笑師匠作の「山寺飄吉」でおます。脱獄囚が母子を人質をとって立てこもって、ヨメさんに会わせ、いうて騒ぎになる噺でおますのやが、この噺はたまはんのためにあるのとちがうかと思うほど、ユカイでおました。主人公の老刑事、山寺飄吉の描写も面白うおますのやけど、人質にとられた母親が、またおよそ同情を誘わんような、そやけど、どっかにおりそうな人物でおまして、ひたすらユカイに話が進んでゆくのでおました。

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さて、中入りの後は月亭遊方はんでおます。
デニムの着物にビニールの羽織。現代的なイデタチでおますが、噺も「憧れの一人暮らし」いう、新作でおます。独り暮らしの部屋を探して不動産屋でかちおうた息子と父親の噺でおます。話の筋はないも同然でおますのやが、あちこちのくすぐりが可笑しおますのやな。こういうのンも、落語の噺の醍醐味でおまっしゃろかなあ。落語も古典ばかりやのうて、こないな新作も面白いもんでおますな。

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ほんで、大トリにもういっぺん、たまはんでおます。
噺は「芝浜」。「芝浜」でおますか。
これは、東京の噺家さん方や、東京の落語ファンが大好きな噺でおますな。東京ではこれがでけたら一人前やそうな。40分とか45分とかかかる、大きな人情噺でおます。
ところが、これが上方ではもうひとつウケませんのやな。芝の浜を住吉の浜に翻案した「夢の革財布」という題名で、噺も短うしてやりはるのやそうなけど、もともとがあんまり笑うところのない噺でおますし、ちょっと道徳のお話みたいなところが、東京でウケて、上方でウケんところかいなと思うてましてん。
そやさかい、たまはんが「芝浜やります」いうて言いはったときは、どないなことしはるのかいなと思いましてんけど、有名な小佐田はんいう作家はんの「夢の革財布」が切り捨てたところを拾うて、拾うたところを切り捨てた、っちゅうことでおますねん。
こちらも、20分ちょっとに短うにしたお噺でおましたのやけど、こういうやり方があったのやなあ、というエエ作品でおましてん。東京やったら、人情噺でどんどん盛り上がってお涙ほろり、となるところで、たまはんの噺は、二階から落とすみたいにすとーん、と落としはりますのや。それだけに可笑しゅうて、可笑しゅうて、ユカイでおますねん。
こないなところが、上方気質でおますのやな。東京のファンの方々には、ふざけるな、いうて言われるかもしれまへんのやけど、わてはこっちが好きでおますなあ。やっぱり、東京の落語と上方の落語いうのは、同じ落語というても、全然違うもんかもしれませんな。
さすがに、たまはん、京大出の噺家さんだけあって、ブッ飛んではりますわ・・・。

今日も、新しいハッケンのあった会でおました。
席亭冥利につきますなあ。
出演者のみなさん、お運びいただいたお客さま、みなさんおおきにありがとうございました。

さて、「道頓堀 太郎寄席」、来月からは月2回の開催と相成りますねん。
だいたい月半ばと、月の終わりごろになりまして、半ばの方の「藍の会」、末の方を「松の会」ということでご案内さしあげますねん。

今後とも、「道頓堀 太郎寄席」、どうぞご贔屓におたのもうしますねん。