「七味線ブラザーズ」の次の週末には、またまた「くいだおれ太郎 presents The Vaudeville(ザ・ボードビル)」いうのをやりましてん。今度は3日連続でおますねん。ボードビルいうたら、西洋の演芸ですねん。
今回の主役はハッチハッチェルバンドいうて、東京のバンドですねん。今年の2月に有山じゅんじはんと一緒に出てくれはった、わての友達のバンバンバザールのそのまた友達ですねん。バイオリン弾いて、歌って、踊りはりますねん。そこにまた、バンドがぴったりとよう合うておりますねん。
ちょっと見には、コミックバンドみたいに見えますねん。ほんまに笑って踊れるバンドですねん。そやけど、ほんまは、このバンドは音楽のことをほんまにようわかってやってはりますねん。2拍子あり、3拍子あり、4拍子あり、西洋のメロディー、東洋のメロディー、ロシアのメロディーあり、涙あり、笑いあり。いろんな感じや気持ちや人生をうまいこと音楽で表現しはるこの腕前は、ほんまに感心しますねん。
歌の中身も、「人生はつなわたりの旅、終わりまで楽しもう」やとか、「悲しみは終わった、探し求めた夢はこれ、あの街の教会の鐘を鳴らそう、おれは歌でいっぱい、あなたは微笑みでいっぱい、ああ、祝福あれ、調子っぱずれに!」やとか、「ラン、タバタバ、ラン、タバタバ、花束、受け取ってちょうだいな。こんな日を待っていた。月明かりのなだらかな海、魚もクジラも恋をする夜。いいことなかった日々がまるでウソのよう」なかなかお芝居がかかっておって、ちょっとひねってあって、詩的で、文学的でおますねん。
「ハンサムでも、頭よくても、脚が速くても、ハングリー精神がなければ、ゴミ同然! お腹すいたら、私のとこにきなさい、美味しいものつくってあげる、お腹いっぱい」いうて紅一点のまゆみはんが歌う「ハングリー精神のうた」なんかは、なかなか今の時代に合うた歌やなあと思いますねん。「暗い部屋に一人きりで、よからぬことを考える。マジメにやってたつもりだったが、なんとも結局、監獄。こりゃどういうことだ。涙も出やしねえ。頭にきちまうぜ。住めば都だけど、寒いぜ」いう「独房のブルース」も、人生の不条理を感じさせるなあと思いますねん。
いうてみたら、三文オペラのたぐいでっしゃろかなあ。お芝居みたいな、ミュージカルみたいな、ドラマチックでユカイなステージですねん。東京のバンドやけど、大阪にも熱心なファンがいてはりますねん。わても、すっかり惚れ込んでしまっておりますねん。もっともっと応援してゆきたいと思うておりますねん。
ほんで、今回はゲストも面白うおましてん。
初日のギターパンダはんは、ほんまにパンダの衣装着て、ギター弾いて歌いはりますねん。けったいなカッコやけど、気持ちのええロックンロールですねん。バンバンバザールのお友達ですねん。
二日目のゲストは餃子大王はんでしてん。20年前に、教育大学の学生はんのときにでけたバンドで、大阪ではえらい人気でおましてん。
餃子大王はんを紹介してもろうたのはほんまに偶然でしてんけど、実は餃子大王はんは、東京のUKプロジェクトの最初のアーティストですねん。そやさかい、わての大大大センパイでおますねん。「ゆず」が出るまでずっと、UKプロジェクトのヒット記録をもってはりましてん。わて、一緒の舞台に上がらしてもらって、光栄でおますねん。
この日はギターパンダはんも飛び入りでギター弾きに出てきはりましてんけど、これがまたカッコよろしおましてん。打合せなんか何もなしでしてんけど、ギターの音も、弾いてはる姿も、カッコよろしおましてん。衣装は着てなかったのやけど、そやからカッコ良かったのかもしれませんな。
また、道頓堀Zazaに呼ぼうと思っておりますねん。みなさんにも聴きに来てほしおますねん。理屈ぬきに楽しめること、請け合いまっせ!
わての仲間のクリエーターはんがYouTubeに上げてくれてはりますねん。チェックしてみとくなはれ!
「つなわたりのうた」
「独房のブルース」
「できそこない行進曲」
「花束とメロディ」