このごろ、新聞にもようけ載っておりますが、今年は日本にスキーが伝わって100周年やそうですな。
その、日本にスキーを伝えた「レルヒさん」のお招きで、わても新潟県のスキー場へ行って参りましてん。
「レルヒさん」はその時代のオーストリアの軍人さんで、交換将校やらいう制度で日本においでになったときに、「こんなに雪があるのに、スキーで遊べないのはもったいない」言うて、スキーを伝えはったのやそうな。スキー、いうたら、上へ上げてもろて下りてくるだけのことかと思うてたら、もともとは雪の上を歩くための道具でおますねんな。ほんで、日本の陸軍がその技術を取り入れて、だんだん盛んになったっちゅうことですねん。
レルヒはんがいてはった上越は、もともと関西からのお客さんも多かったそうな。もともとは、江戸時代に加賀のお殿さんが参勤交代で通る道で、温泉があってにぎわってたところに、雪がええというので早うからスキー場がでけたそうですな。
ほんで、去年の秋にレルヒはんがわざわざ大阪まで来てくれはって、わてもご招待してくれはりましてん。そやけど、わて、スキーなんかすべられしまへんで、いうたら、ワタシがオシエマス、言いはるさかい、わて、雪景色も知らんし、ひとつおじゃましてみることにしましてん。
しかし、またえらい雪でしてん。
まんがええのか悪いのか、この冬一番いう大雪で、飛行機は飛ばんようになるわ列車は止まるわ、えらいことやったけど、わてはこんな雪見るのも新潟県ちゅうとこも初めてやさかい、楽しおましてん。わら靴履いて、首巻きして、完全防備でっせ。大阪ではなんぼこの冬一番いうて雪が降ったかて、ここまでは積もらしませんで。これだけの雪がいっぺんに降るというのは、さすがにこの妙高でもそないしょっちゅうやあらへんらしいけど、ええ経験さしてもらいましてん。
それにしてもスキーのお客さんいうのは、朝が早よおますな。8時半からリフトが動いたら、もうえらい行列や。レルヒはん、ミョーコーはん、クロベエはん、えらい上手いことスキーで滑りはりますな。今のスキーは杖2本で滑るけど、レルヒはんのは1本杖やそうな。保存会のお方々は昔ながらの衣装で袴はいて、器用なことですなあ。
わてはやっぱりスキーはあかんなあ、思うてたら、レルヒはんが、「スノーシューやりましょう」言うので、試してみましたんや。昔でいうかんじきですな。写真みたら、わて、えらいへっぴり腰でおますな。恥ずかしおますな。ちょっと怖おましたけど、楽しおましてん。
余興に、カレーのコンテストもおましてな。これが、えらいまた力作ぞろいでしてん。スキー場いうたら、カレーが人気らしいですな。「くいだおれ」でもカレーは力入れて作っておりましたけど、妙高の「選手権」もみなさん力はいっておりましたな。お客さんの投票で、優勝を決めますねんけど、わて、審査委員長さしてもらいましてん。スキー場いうところはいろいろと楽しおますな。
妙高には「レルヒさんの神社」いうのんもあって、今回泊まらしてもろうた宿の入り口に「レルヒさん」の人形とお札が祭ってありまして、横へわての人形もいっしょに祭ってもらいましてん。
雪遊びもええもんですな。わても、もうちょっとスキー、覚えよかな、思うてますねん。新潟県、また遊びに行きとうおますな。