わて、「一日教授」になりましてん

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ひゃあ、えらい名誉なことですなあ。
わて、近畿大学の入学式で、「一日実学教授」さしてもらいましてん。
なんでも、近畿大学で「一日教授」いうのんは初めてのことやそうで、わて、その第一号、いう、えらい名誉なことですねん。

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とはいうものの、わて、そんなおおぜいの大学生はんにお教えするような、えらいこと何も知りまへんねんけど、言うたら、大学のお方が「実学の教授ですから、太郎さんのいままでのご経験を伝えていただきたいのです」いうて、言うてくれはりましてん。
わての経験、いうたら、やっぱり鉦太鼓と食べ物でっせ。
そやそや、近大いうたら水産の研究もえらいとこや。和歌山におおきな研究所があって、新しい魚の種類つくったり、養殖の研究してはるねん。
そのなかでも、マグロの完全養殖はすごいことやなあ。

みなさん、知ってはりますかな。
よう「養殖のマグロ」、いうけど、あれはほんまの養殖やおまへんねん。
マグロのこども、関西でいうところの「よこわ」、いうのんをつかまえて、それをおおきな生け簀のなかで育てたものですねん。
そやからわてら食べ物屋の世界では「畜養」、いうてよんでますねん。

マグロ、いう魚は生まれてから死ぬまで、えらいスピードで休まんと泳ぎ続けている魚やさかい、これを卵から孵して育てるなんて、とっても無理や、いうことになってたのやけど、何年か前に近大の研究所がそれをやりはったんですな。
世界中でもよそではどっこもでけしません。そんなこと。えらい技術や。
今は世界中でマグロがおらんようになって、ゼツメツしてしまうのちがうかいな、いうて言われてまっせ。そやからこないしてマグロを育てることがでける、いう技術はたいした「実学」ですなあ。

そんなことをしゃべったらよろしいのかなあ、思うて舞台へあがったのやけど、えらいこっちゃ。近大の新入生はん、いうたら、7000人もいてはりますのや。わて、舞台の上から見てびっくりしてしまいましてん。えらい大きな大学やなあ。道頓堀でも、こんなおおぜいの人がいっぺんによってくることはおまへんで。
司会のマーキーはんはわてもお目にかかったことあるさかい、ちょっと安心やったけど、ほんでも、わて、何しゃべったのかわからんままに出番が終わりましてん。いやあ、冷や汗かきましたわ。

そのあとは、えらいえらい学部長の教授はんが座ってはるところに、隅の方にすわらせてもろうて、先生がたのありがたいお話聴かしてもらいましたで。
聴けば聴くほど、近大いうところはサカナだけやのうて、世界でもよそにはなかなかでけん研究をしてはるのですなあ。新制大学になってから今年でちょうど60年、わてと同い年というのも親近感わきますな。

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しまいは、大学のブラスバンドといっしょに、わてもちょっと踊りを披露しましてん!
わても、春からええ機会をちょうだいしました。

新入生のみなさんも、4年間がんばって勉強しとくなはれや!