大メロ 1.jpg

去年に続きまして、今年もNHK「わが心の大阪メロディー」にシュツエンさせてもろうてましてん。

大メロ 2.jpgチャラリ〜
道頓堀から中継〜♪

今年は「道頓堀開削400周年」ということで、道頓堀からの中継でおました。おなじみ、嘉門達夫はんとご一緒おましてん。わて、光栄でおまっせ。今回のわての吹き替えは桂よね吉はんでおました。


この夜の道頓堀は実は大騒ぎになっておりましてな。

アルゼンチン人たち 1.jpg

アルゼンチン人たち 2.jpg

わてらのおったちょっと先で、アルゼンチンのサッカーチームのサポーターの皆さんが道頓堀をセンキョしておりましてん。えらい騒ぎでおました。まわりの皆さん、大丈夫やったのでおまっしゃろか・・・
今日は、たいへんに悲しいニュースがおました。
浪曲師の国本武春はんがお亡くなりになったのでおます。

国本 1.jpg

今から5年ほど前でおますが、わて、国本はんと、大阪のベーシストの清水興はんと一緒にお仕事さしてもらいましてん。
国本はんは浪曲だけやのうて、ブルーグラスやら「ロック浪曲」やらもやってはりましてな。
ほんで、中座くいだおれビルの地下におます「道頓堀Zaza」から、国本はんの音楽をもっと世に出したいのやけど何ぞええアイデアおまへんやろかと言われて、清水はんに相談してこないな「三味線ファンク」が出来上がったのでおました。

国本 2.jpg

そら、えらいリズム感でおました。国本はんの三味線のリズム感いうたら最高でおましてな、そこへまたリズムの大将の清水はんでおまっしゃろ。グルーヴ、いうんですかな、踊りとなるようなえらいパワーの音楽なんでおました。三味線とベースと、弦があわせて7本やさかい、「七味線ブラザーズ」いうて名前もつけましてん。

国本 3.jpg

なんべんか演奏会やりましてな、有山じゅんじはんが参加しはった回はえらいもんでおました。お二人でもリズムがええのに、そこへリズムの天才の有山はんでおまっしゃろ。もう、なんやありがたーい仏はんが三人座って弾いてはるような感じでおました。

さあ、これからどないして録音しまひょか、というときに、国本はん身体をこわしはりましてな。この年は特に芸歴30周年でお忙しかったのでおますけど、身体の悪いところもおましたのやろな。
1年ほどお休みしはって、ぼちぼち復帰してきはって、そろそろまた「七味線ブラザーズ」再開しよか、というときでおました。

国本 4.jpg

浪曲ファンにとってはもちろんでおますやろけど、音楽ファンにとっても、ほんまに大事な宝物を失うてしもうたのでおます。
もっと一緒にお仕事しとおました。
ほんまに残念で、悲しいことでおます。



この秋口はサワラでおます。

サワラいうたら、魚偏に「春」と書くのでおますけど、旬は秋から冬なのでおます。春の産卵の季節にようけ岸へ寄ってくるから「鰆」なのでおまっしゃろか。


鰆.jpgどないしよかというくらい
美味しおましてん

サワラは関西と瀬戸内で人気の魚でおまして、サワラの味噌漬け、西京漬けいうたら京都はもちろん、大阪でも人気でおますな。

そやけど、サワラは鮮度が落ちやすい魚でおます。サバみたいなものでおますな。大きゅうなる魚で、1メートル近いのもおるようですが、大きいと身が割れやすいこともあって、関西ではあんまり出回らんようでおます。

サワラの小さいの、サバくらいの大きさのを関西では「サゴシ」というて人気なのでおます。お正月のおせち料理にも、サゴシのきずし、酢で締めたもんでおますが、これは定番でおます。おせちでのうても、サゴシのきずしは関西では人気の料理でおますな。サバよりあっさりしておりますねん。

 

そやけど、なかなかサワラのお刺身というのはおまへんねん。

淡路島の、漁場に近いところではわてもタタキでよばれたことがおますねんけど、鮮度が落ちやすいよって、関西の都会ではなかなかおまへんねん。岡山ではサワラのちらしずしが名物なそうやけど、そのくらいでおまっしゃろか。

 

そのサワラのお刺身をよばれましてん。

またまた明石浦から届いたもんでおます。

3キロくらいの、よう肥えたええサワラでおましてん。

皮目をちょっと炙るのがおすすめやというので、皮目をちょっと炙って、薄造りにして、そのままお造りと、握りずしでよばれました。

ほっぺたが落ちるかと思いましてん。よう脂ものって、それ以上に魚の味が美味しおました。とろけるような味わいなのやけど、脂くさいことはおまへんねん。また、酢飯とよう合いますねん。

 

もっとびっくりしたのは、しゃぶしゃぶでおました。

お刺身よりもっと薄うに切ってもろうて、さっと色が変わるくらいに湯どおしして、おろしポン酢でよばれましてん。

びっくりしましてん。なんぼでもよばれてしまいますねん。お刺身よりも、もっととろけるようでおまして、魚のおいしい味が口の中に残るようでおます。わて、夢中になってよばれておりましてん。

新鮮なサワラいうもんがこんなに美味しいもんやとは、わても不勉強でおました。

 

ほんで、残りはちゃんと西京漬けにして、あとで焼いてよばれましてん。

これも、どないしよかというくらい美味しおましてん。

 

明石のお魚はどれもえらい高いそうやけど、サワラはその中では手頃なのやそうでおます。旬にはいったばかりで、11月くらいが一番良いのやそうでおます。もういっぺんよばれとうおますな。明石の11月いうたら、鯛も一番良い季節やそうでおます。わて、今年の11月はちょっと忙しおます。


ヒゲ.jpg

今日はこんなのがくっついてきておりますねん・・・

たまにはこんなのもよろしおまっしゃろか・・・



明石浦からメイタが届きましてん。

 

メイタガレイ、いうたらふつうは手のひらよりちょっと大きいくらいで、煮付けや唐揚げにして食べると美味しい、いうことになっているようでおますな。ほんで、だいたい冬のお魚やと。

ところが、瀬戸内ではメイタガレイを夏に、お刺身でよばれますねん。 
お寿司屋さんではカレイいうたらホシガレイとかイシガレイとかいうようでおますけど、そないな大きいカレイやおまへんねんけど、メイタも夏が美味しおますねん。

メイタ.jpg見てるだけで
ごっつぅたまらんわ
小さい、いうても、明石のメイタは大きいのがおますねんな。
わてとこに届いたのも400グラムくらい、昔でいうたら百匁、いうことになりますかな。ふつうお店で見かけるメイタは100グラムくらいとか、200グラムいうたらかなりの大物やさかい、この明石のはそうとう大きなもんでおます。

メイタは、透明な白身を薄造りにしてよばれるのが美味しおますねん。
白身のお魚は、1日くらいおいてからよばれるのが美味しいのがふつうでおます。あまり活きがええもんは、まだ味がのうて、なんや水臭いことが多いようでおます。

 

そやけど、この明石のメイタはそないなことせんでも美味しおましてん。お昼に浜で締めてもろて、血抜きもちゃんとしてもろうたからでおまっしゃろか、いや、それやったらなおさら鮮度はええはずやから、ふつうやったらまだ味がせんかってもおかしないのでおますのやけどな。

 

そやけど、これは美味しおましてん。
薄造りに造ってもろうて、ポン酢しょうゆに七味をちょっと振りましてな。 
なんとまあ。
ほんのちょっと、白身の甘みがおましてな、ほんでなんちゅうかコクがあるというか旨みに厚みがあるというか、とにかく箸が止まらん、お酒もご飯も進む、という美味しさでおました。

  

一匹はそないしてその日のうちによばれまして、もう一匹は1日寝かして、またよばれました。
これは、もうもちろん美味しいのでおます。
昨日のとは別の魚みたいでおます。味が全然違うて、もっとゆったりした味わいなのでおました。
またお酒とご飯とお箸が止まりませなんだ。

 

どっちが美味しかったか、と言われたら、困りますなあ。
どっちも、としか言いようがおまへん。
ええもん、よばれました。
幸せな晩御飯でおました。


映画の『バードマン』ってご存知でっしゃろか。


 往年の映画スターが、ブロードウェイでミュージカルをやるという話でおますねん。ブロードウェイ・ミュージカル、いうたらわてもちょっとだけご縁がおましてな。「大阪名物くいだおれ」閉店のときにブロードウェイ・ミュージカルが大阪へ来ておって、わてもちょっとだけ「出演」さしてもらいましてん。

 その『バードマン』の主人公が大阪の観光名所を訪ねて回るということで、わてのところにも会いにきてくれはりましてん。いやいや、ほんまもんの役者さんやおまへんねんけど、実物大のフィギュアなんでおます。

バードマン1.jpg

 わて、『バードマン』の試写会に呼んでもろうておって、映画見ておりましてん。なんでもアカデミー賞のいろいろ候補になっているそうでおますけど、なるほどようでけた映画でおまして、あっ、ちゅうまに二時間経っておりましてん。

 

 その『バードマン』のフィギュアもようでけておりましたなア。映画のそのまんまでおました。

 春休みのおかげでおまっしゃろか、バードマンが来てくれはったときはわての前に行列ができておりましてな。バードマンはんも、若い人たちに交じって行列に並んでくれはりましてん。いや、映画スターを並ばせるやなんて恐縮でおました。

バードマン2.jpg映画スターを並ばせる
"なにわ"のスター(笑)

 ほんでしばらくバードマンといっしょに写真撮って、道頓堀に来てくれはったお客さんもいっしょに、ようけ写真撮りましてん。

 「大阪名物くいだおれ」やっておったときも、こないしてときどき映画のヒーローとか来てくれはったなあ、と思うて、なつかしおましてん。バードマンはん、よう来てくれはりましたなあ。またのお越しをお待ちしてまっせ。
久しぶりに、香住へ松葉ガニの初セリへ行ってまいりましてん。


IMG_9705.jpgわてとこの創業者や、
女将さんの出身地でおます
香住いうたら兵庫県香美町でおますな。昔は城崎郡香住町というておったのが、合併で香美町になりましてん。わてとこの「大阪名物くいだおれ」の創業者や、女将さんの出身地でおます。
5年ほど前に先代のお墓参り兼ねて、松葉ガニの初セリを観にお邪魔したことがおまして、今回は二へん目でおます。前にいてはったセリ人さんもわてのことを覚えてくれてはりました。
今年はセリ人さんも代替わりで、今年から、ということは今日から、若いセリ人さんがデビューしはるのやそうな。


松葉ガニというのは、ズワイガニのことでおます。福井県では越前ガニ、丹後では間人(たいざ)ガニと言いますが、但馬では松葉ガニといいますねん。よう似たベニズワイガニよりも値段が高うて、漁期も短うおますのやナ。
IMG_9746.jpg
松葉ガニの解禁日はだいたい毎年11月の6日という日になっておるようでおます。11月6日の午前零時が解禁やさかい、漁船がずっと海の上で待っておって、零時になると同時にカニを獲るためのカゴを下ろすのやそうな。
ほんで、初日はそのまま半日ほど漁をやって、お昼くらいまでに漁港へ帰ってきますねん。

IMG_9710.jpg
漁港へ帰ってきたら、大きさごとに分けて、脚の欠けとるのも分けて、締めてある分はセリ場へ並べて、生かしておる分は水槽へ入れて並べますねん。
セリは港によって時間が違うのでおますが、この香住港ではお昼の2時からでおました。お隣の柴山ともっと東の方の津居山、城崎でおますな、では1時からということでおます。

IMG_9824.jpg
セリ人というのは、商品をセリにかける人のことでおます。美術品のオークションでハンマーもって台に立っておる人と同じことですな。ほんで、セリに参加する人のことを「売買参加人」、略して「売参」(ばいさん)と呼びます。
セリ人さんはセリの前に並べてあるカニを見てあるいて、だいたいどのあたりの値段になるか下調べをしはります。売参の人も、下見をしてほしいものに目星をつけはりますねん。


いよいよ今年最初のセリが始まりましてん。
IMG_9963.jpg「勝負は時の運」
とは、よう言うたもんでんな
見渡す限りカニ、カニ、カニでおます。大きいのやら小さいのやら。うんと小さいのは「セコガニ」いうてズワイガニの雌でおます。これを端から端まで競って歩きますねん。セリ人さんは声を出し通しでえらい仕事でおますが、売参さんも大変でおます。セリでは指で入札しますねんな。わてらにはなんのこっちゃさっぱりわかりまへんのやけど。
香住では入札はいっぺんで、値段が同じやとジャンケンしますねん。ジャンケンの強い人やら弱い人やらおますのやけど、さっき弱かった人が今度は強うなったり、その反対やったり、いろいろでおます。

IMG_9946.jpg
わてもえんえんとセリについて歩いておりましたが、2時にはじまって終わったのが4時でおました。えらいことでおます。大阪の中央市場ではいっぺんにいろんな品物のセリをやりますのやが、30分くらいで終わりますねん。ここはカニだけやさかいいっぺんにあちこちでちゅうわけにゆきませんねんな。
ほんでも、ベテランの方のセリ人さんがおっしゃるには、「今日は初めてやったから2時間かかったけど、わしがやっとったときは1時間半で済んだ」ということでおます。

IMG_9788.jpg
そやけど、今日は初日で大きな船が入ってないさかいまだ少ない方なのやそうな。
明日からは毎朝6時半からでおます。大きな船も入るさかい、3時間くらいかかるのやそうでおます。
えらいことでおます。売参は資格が要るのやけど、香住港では毎日30人くらいが参加しはるのやそうな。大阪の市場でも名前をみかける業者さんもようけいてはりますな。
えらいもんでおました。

いつの間にか夏も終わってしまいました。古い話ですが、こちらは初夏の「道頓堀 太郎寄席」のお話でおます。


 皐月五月末の「道頓堀 太郎寄席」は桂文華師匠の会でおました。
 わても席亭をしておりますといろいろな噺家さんとおつきあいしておりますが、なんというか、規格はずれという点ではこの文華師匠も指折りのようでおます。「太郎寄席」の文華師匠の会ももう五回目となりましてお客様もお馴染みになってきたせいか、師匠の落語会も八方破れになりつつあるような、そんな気配でおます。

 文華師匠はゲストはんやら前座はんの人選にもやかましいようでおます。文華師匠に限らず、「太郎寄席」の特に松の会の方はみなさんやかましい方でおまして、前座からたいそうウケておるのでおますが、文華師匠の会の前座はんはひときわしっかりしてはります。

 

 今日のゲストは桂寅之輔はんでおます。まだ入門してから四年半でおますのやが、そうとは思えん落ち着いたテンポでおました。

toranosuke.jpg

 お噺は「大安売り」という、上方落語噺でおますが、負けてばっかりの相撲取りの、短い、軽い噺でおます。この、負けてばっかりの、しかしそれでもいっこうに懲りん様子の相撲取りを、うまいこと演りはりますのやな。寅之輔はん、楽しみな前座さんでおました。

 

 さて、二番手に文華師匠でおます。今日は着物の話からマクラに入りはりました。噺家さんの着物は、六月になったら一重、七月八月は夏物、九月にまた一重になって、あとの季節は合わせということでおます。ほんで、今日は一足早く、「おニュー」の一重の着物と言うことでおました。

bunka_2.jpg

 お噺は「仔猫」。お馴染みの怪談噺でおますが、なかなか難しい噺やと思いますねん。うんと怖がらせながら、ストンと落として笑わせる芸でおまして、高座と客席の一体感が何よりも大事になるような気がしておりますねん。
 そんな難しい噺なんでおますが、文華師匠のは自由自在というか融通無碍というか、噺のあいだで「戎橋筋の昆布屋のをぐら屋さんというのは、落語の『三十石』に出てくる鬢付け油の『をぐら屋』からのれん分けしはった」とか、「人を遣えば苦を遣う」というくだりから先代文枝の思い出話とか、もう脱線だらけでおまして、ほんでお客様がまた落語好きのお方が多かったのかそういう脱線がいちいちウケまして、いったい何の噺をしてるのやらわからんようになりながら、やっぱり怖うて、可笑しいちゅう、何ともいえん名人芸なんでおました。
 わても「仔猫」はいくつも聴いておりますが、こんなんほかにおまへん。

 

さて、次はおなじみ桂雀五郎はんの「くやみ」でおました。

jakugorou.jpg

 おくやみに来たのかのろけに来たのかわけのわからん男が主役でおます。そのわけのわからん男はええとして、その相手をさせられる方の男を演るのはなかなか演りにくいやろと思いますねん。
 ほんで、そういうところが雀五郎はんの「味」でおますな。困って言葉が出エへん、というところの「味」はほかにはおまへんのやが、その困った方の男を見ておるのが愉快という独特の芸でおました。雀五郎はん、いつも新鮮でおます。

 

ほんで大トリの文華師匠でおます。おしまいのネタは「あみだ池」でおました。

bunka_1.jpg

 「仔猫」と「あみだ池」やったら、どっちか言うたら「仔猫」の方がトリの噺で、「あみだ池」いうたらもうちょっと軽い噺やと思うてますのやが、今日は二つ目に「仔猫」で、大トリに「あみだ池」なんでおました。文華師匠、やっぱり規格外でおますな。
 この「あみだ池」いう噺は、噺の中身じたいはほんまにしょうもないと思いますねん。マジメな話をしてるか、おもたら単なるダジャレで落としますねん。そのダジャレもとってつけたようなダジャレで、別に膝を打つようなものでもおまへんねん。ただ、どこまでいってもバカバカしい、そういうおかしさの噺でおます。
 それが文華節にかかると、こないに生き生きとするのか、というオドロキでおました。ほんまに型破りでおました。えらいもんでおます。会場のお客様の空気もあったのやと思いますねん。回を重ねるごとに独特の雰囲気の出てくる「太郎寄席」でおますが、文華師匠の会はひときわ濃い雰囲気でおますな。ほんまに、えらいもんでおました。

大阪名物のひとつ、道頓堀のグリコ看板がこの秋に新しゅうなるそうでおますねん。今のが五代目やそうな。四代目から変わって、もう十六年になるのやそうな。そういえば、この五代目はんになる前に、わてもこっそり記念写真撮りにいったことがおましたなあ。

 

ほんで、いよいよこのお盆の8月17日いっぱいで五代目はんがおりはらへんようになったのでおますが、江崎グリコはんがその日に向けて100日前からカウントダウンの催しをしてはりましてん。みなさん、ご存知でおましたやろか。五代目の看板を背景に、「あと何日」というカードを持って記念写真撮って、それを毎日フェイスブックやらツイッターやらで更新してはります。わてはなんのこっちゃようわかりまへんのやけど、何やユカイなことでおますな。


ほんならある日、江崎グリコはんから「太郎さんもカウントダウンしに来てくれはりまへんやろか」いうてきはりましてな。ほたら社長も女将さんも、そらご近所さんのこっちゃ、協力したれ、いうて、わてもカウントダウンしに来ることになりましてん。

わて一人やったらさびしいから、女将さんもハッピ着て来はって、ついでに道頓堀でわての隣に立ってるお狸さんも来てもらいましてん。

カウントダウン1.jpg

撮影は、あっ、ちゅう間で終わりましてん。そらそうや。一枚だけでええのんやさかい。それに、こんなところにいつまでもおったら人だかりがしてどンなりまへん。

新聞記者さんも来てくれてはって、ええニュースにもなったみたいでおますな。

カウントダウン3.jpg

わてが記念サツエイしておる間、道頓堀の中座くいだおれビルの店頭はどないなっておるかって? エヘヘ。こないな具合になっておりますねん。

カウントダウン4.jpg

「道頓堀 太郎寄席」、四月卯月の松の会は林家花丸師匠の会でおました。

 

 今日の前座は、初登場で女流の桂鞠輔はんでおます。米朝一門、米輔師匠のお弟子さんでおます。可愛らしい名前でおますが、その名のとおりコロコロした感じでおますな。

201407鞠輔.jpg

 太郎寄席、毎度前座とはいいながらしっかりした噺家さんが登場いたしますが、鞠輔はんもテンポがよろしおます。お噺は「始末の極意」。ゆっくりしたテンポでおますのやが、おしまいに松の木の高いところへ登らされて、指を離してゆくところなんか、なかなか聴かせまっせ。

 

 二番手は、花丸師匠でおます。今日の一席目は「蔵丁稚」でおます。芝居好きが高じて、お仕置きに蔵へ入れられる質屋さんの丁稚の噺でおます。

201407花丸1.jpg

 花丸師匠にとっては他人事やおまへんようで、噺のマクラは宝塚歌劇の話題でおました。

 お馴染みの皆さんにはご承知やと思いますが、花丸師匠と、おなじく「太郎寄席」常連の笑福亭生喬師匠は、タカラヅカの大ファンなんでおます。いやもう大ファンなんてもんやのうて、病膏肓に入るとはこういうことかというほどでおまして、なんでも毎月十回ほどは通いはるのやそうな。ほんまでっしゃろか。ほんで、毎年五月になるとタカラヅカを真似たようなお芝居の会をしはるくらいでおます。

 今日の「蔵丁稚」の丁稚さんも、花丸師匠の芝居好きが乗り移ったような丁稚でおました。というても、落語というものがお芝居ですさかい当たり前なんでおますが。

 

 三番手はゲストの桂ちょうばはんでおました。桂ざこば師匠のお弟子さんでおます。お噺は「おごろもち盗人」。

201407ちょうば.jpg

 「おごろもち」というのはモグラのことでおます。昔の家は玄関が土間になってましたさかい、そこから穴を掘って戸締りを開けて入り込むちゅうことでおますな。このお噺では、店の主人が夜遅うまで仕事をしておって、泥棒の方が待ちきれんで穴を掘り始めたところを見つかってつかまってしまうという間抜けな噺でおます。

 主人の残業というのが金繰りのことでおまして、どこそこへの支払いを延ばしてもろうて、というようなことで、いちいち時節に合うた名前が出てきて笑わせるのでおます。

 ちょうばはん、なかなか気が利いたお噺で、間と切り替えがよろしおますな。いかにも春の夜ののどかなお噺でおました。

 

 さて、今夜は中入りなしでそのまま大トリでおます。再び花丸師匠でおます。お噺は「厩火事」でおました。

201407花丸2.jpg

 「厩火事」というのは、長屋の夫婦者の噺でおます。姉さん女房が、孔子さんの故事にならって飲んだくれの旦那を試す噺でおます。桂ざこば師匠のおなじみのお噺というところから、花丸師匠のおうちでの、奥様とのやりとりというマクラから始まりましてん。

 「そんなアホな」という設定で花丸ワールドを作りあげるのがお得意な師匠でおますが、今回はわりあいフツウな設定の噺でおます。ところが、この姉さん女房のお咲さんというのが端々に言うことがやっぱり花丸ワールドに聞こえるから不思議でおます。なんや、とんでもない変わったヨメはんに見えるのでおました。

 上方落語で「お咲さん」いうたら、たいていは長屋のしっかりしたヨメはんと決まっておるようでおますが、この「お咲さん」はちょっとかわったお咲さんでおまして、愉快でおました。